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04.06.06

岡山県郷土情報ネットワーク。 [図書館と地域]

インターネット上の図書館サービスは開始したばかりの新しいサービスということもあり,ホームページ上で地域資料や地域情報を充分に提供している公共図書館はまだ少ない。その意味では,現在の公共図書館が「地域の情報拠点」としての役割を十分に果たしているとはいえないであろう。とはいえ,ITをフルに活用し,図書館のホームページを介して住民と行政が地域の情報を交換できるネットワークの構築を試みようとしている公共図書館が現に存在している。岡山県総合文化センター(以下,「県立図書館」)が現在取り組んでいる「郷土情報ネットワーク」構想は,「住民―図書館―行政」という形の新しい地域資料サービスへの実現に取り組む最新の例であり,また,今後の公共図書館の地域資料サービスの可能性を占う1つのモデルともなりうると思っている。以下に同図書館の地域資料サービスの状況と「郷土資料ネットワーク」を紹介する。

岡山県には文書館・公文書館に当たる施設がないため,県庁の知事部局下にある文書整備班が行政文書を保管し,県立図書館は主に古文書や絵図,その他の地域資料の収集・提供に当たっている。これらの資料の一部は入口横の「郷土資料室」で提供され,郷土資料カウンターには常時1名の職員がいる。貸出しカウンターの前に展示コーナーがあり,一般図書,郷土資料,外国語資料の展示を毎月行なっている。郷土資料の展示テーマとしては,「岡山の婦人」「子ども向け郷土資料」「岡山の祭りと踊り」(2000年度),「岡山の短歌」「吉行淳之介」(2001年度),「雪舟」「竹久夢二」(2002年度)などがある。また,館報「岡山県総合文化センターニュース」(隔月)には新着県内出版物が紹介され,岡山県にゆかりのある人物とそれに関連した参考文献を紹介する「おかやま人物往来」のコラムも毎号掲載されている。月間展示資料目録,館報,「おかやま人物往来」をもとに作成したデジタル岡山大百科」の構築に取り組んでいる。この「デジタル岡山大百科」は,「図書館横断検索システム」「郷土情報ネットワーク」「レファレンス(調査相談)データベース」という3つの機能をもったシステムであり,県民がインターネット上で地域の姿(地域に関する情報)を百科事典的に見られることと,県民の調査研究に役立つことを目的としたものである。特に「郷土情報ネットワーク」には岡山県情報のナビゲータとしての役割が期待され,地域に関するWebページや音声,動画などのマルチメディア情報の一括検索ができ,県内各図書館所蔵の古文書,絵画など著作権の制約を受けない資料については本文の内容確認もできるようになる。収録データとして考えられているものには,自治体発行の行政情報,郷土新聞記事索引,郷土雑誌記事索引,郷土映像データ,県民提供情報(動画・静止画)などがある。現在ホームページ上では,県立図書館所蔵の絵図や和装本,県民提供情報などが試験的に提供されているが,画像や映像を見るのに専用のプラグインをダウンロードする必要があり,多少手間がかかる点は否めない。

ホームページ上で県民による情報提供が既に開始されているように,岡山の歴史や民俗などに関する優れたWebページやマルチメディアの情報を県民がWeb登録できる住民参加型のシステムである点も「郷土情報ネットワーク」の特徴である。県立図書館では,インターネット上の行政情報や県民提供情報などを統一したフォーマットで記述して蓄積するために,「タイトル」「作成者」「主題」「内容記述」など15項目 の要素からなる「Dublin Core Metadata Element Set」(通称,Dublin Core) という記述方法を採用している。標準化したデータベースの構築を図ることで,多種多様な情報の一括検索を可能にしている。また,県立図書館では,地域資料を網羅的に住民に提供する基盤づくりを担う必要があるという認識のもとに,県内公共図書館のみならず,大学図書館,自治体,県内各機関,郷土史研究者などとの協力体制を整備中である。


04年06月06日(日)

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